午前中はお葬式に出て、夕方から同期の結婚式の二次会。お葬式から戻ったあとで、お昼寝をしていたらどうしても二次会に行きたくなくなってしまい、どうしてもスイミングスクールに行きたくなかった小学生の頃のような気持ちになった。小学生が結婚式の二次会に参加するなんて無理。最初から欠席にしておけばよかったのに、無理して参加に丸をつけてしまったのがいけなかった。同期が集まるところに顔を出すのはほんとうに嫌だ。みんな立派にみえるのでいつも劣等感を抱かされて、すぐに帰宅したくなる。それか、透明になりたくなる。貸切のレストランの壁に同化したくなる。忍者が壁と同じ色の布を被って隠れるあれだ。
遠くから聞こえてきた噂によると、同期の何人かが今年中に結婚する予定らしく、二次会の最中にもみんな恋人からの電話に出たり出なかったりしていて開いたディスプレイにはきれいな女性の写真が映し出されていたりしたけれど、ポケットの布一枚隔てて太ももにくっついている携帯電話は一度も鳴らなかった。うそでもいいから、誰か女の子に恋人を装って電話してもらうようにお願いしておけばよかった。