夕方まで融資契約書についての研修。そのあと名古屋駅でK住さんと鼎泰豊で晩御飯。小籠包がおいしかった。おいしいものを食べ続ける計画は実行に移され、順調に進行していて、もう誰にも止められない。K住さんも計画の片棒を担いでしまった共犯者――彼女の首から下げられたペンダントは、はりつけにされた人がモチーフになっていた。それ、キリストなの?と訊ねると、いえ違います、ただの人ですとの答え。日本人のアルバイト店員に混じって客席の間を歩いていた恰幅のよい台湾人風男性、鼎泰豊JR名古屋高島屋店のオーナーは仮の姿に過ぎない彼が、この合言葉を聞きつけ、もっとおいしいものをご紹介いたしましょうと厨房の奥へと案内する。業務用冷蔵庫の扉を開けるとそこは秘密のエレベーターの入り口、地下13階まで急降下しドアが開くと拷問部屋だった。K住さんは微笑を浮かべながらオーナーとふたりでゴムボートに飛び乗り、地下水路へと姿を消し、見上げると鋭いトゲがびっしりと貼りついた天井がゆっくりと下がってきた。絶体絶命のピンチ。