岐阜大仏というものがあることは、以前岐阜の街を歩いていて観光案内板をみたときに知っていたけれど、ひとりでみにいくのもつまらないと思っていたので誘った。ほんとうはふたりで出かけられるならどこでもよかったけれど、ちょうど興味もあったので誘った。岐阜大仏殿は金華山のふもとにあった。そんなところにあるなんて知らなかった。観光案内板で知ったけれど、岐阜大仏なんてものがあるのかと思っただけで場所までは確認していなかったから驚いた。大仏殿と気づかずに何度か通り過ぎていたので、どうせなら通りかかる度に大仏をみておけばよかった。入り口では係の中年女性が熱心にテレビをみていたので、入場料を払わなくても入ることができそうだったけれど、わざわざ声をかけてお金を支払った。大仏の正面に小学校の教室に並んでいたような椅子が5つくらい用意されていて、座ってみることができるけれど、大仏と椅子との間の距離がとても短いので、とても近い位置から大仏をみ上げるような格好になった。(日本三大仏)と書かれた紙切れを入り口で渡されたので、(これが三大仏のうちのひとつか、立派なものだ)と思った。岐阜大仏は岐阜市大仏町八番地にあるとも、紙切れに書かれていた。どうせなら一番地にすればよかったのにと言ってふたりで笑ったのを覚えている。
大仏をみ終わった後、一方通行の道を誤って逆走してしまい怖い思いをした。あわてて向きをかえて一方通行にしたがって走り出したら金華山ドライブコースに入ってしまい、展望台までのぼったけれど霧が濃くてなにもみえなかったしだれもいなかった。だれもいないし何もみえない展望台までわざわざ来てしまったことで、風変わりなことをして楽しむ特別なひとになったような気分でとても楽しくなった。
その後西春の焼肉店で食べた刺身盛り合わせがとてもおいしかったので、すこしはやいけれど今日が誕生日だということにしてお祝いをした。ちょうど24日から25日にかけて24歳から25歳になることにすれば特別な感じがして気持ちがたかぶるし、ほんとうの誕生日にはふたりで過ごせないだろうから今日を誕生日にしようと思った。あたらしい誕生日をふたりで過ごせるなんて、すごくうれしくて、もう、古代に生きた恐竜の仮装で両手にマラカスを握りしめて、一晩中踊り狂いたいぜ、ウォウウォウウォウウォウ!