雨でも行く、と決めていたので、休みの日にしては少し早起きをして駅までK住さんとZ子さんを迎えに行き、養老公園へと出発した。本当なら昨日新しい洋服を買って、それを今日着て新鮮な気分で外出する予定だったけれど、昨日なにも買わなかったので、家にあるものを着た。もともと持っている服とはいえ、去年の冬の終わりかけにバーゲンで買ってからあまり着る機会のなかったAPCの茶色いセーターを着ることができたのはすこしうれしかった。APCのセーターを着ることがうれしかったと言っても、APCの洋服に対して深い思い入れがあるわけでは、APC以外なにも着たくないというわけではまったくなく、できることならルイ・ヴィトンプラダやグッチの洋服を着てみたい。ルイ・ヴィトンプラダやグッチの洋服を着たくないと思っているということはないが、買うのに十分な程度のお金がないのと、それらのお店に堂々と入る勇気がないため、着ることができていないだけ。
要点をはっきり言えと脅されれば、お金は欲しい、ルイ・ヴィトンプラダやグッチの洋服は着たい、ということになる。とにかく深い思い入れはないけれど、あまり着る機会のなかった服を着ることができたのですこしうれしかった。

朝から曇り空だったので天気を心配しながら小牧インターから高速に乗り、大垣インターでおりて養老の滝付近の駐車場に着いた。途中、山道で対向車となかなかすれ違えず苦労した。滝付近の駐車場でおりたので、少し歩くとすぐに滝をみることができて、あっけない感じがすると思ってまわりを見ると、山のふもとからぞろぞろと歩いてくる人がいて、下にも駐車場がありみんなそこから山道の紅葉を眺めながらゴールの滝を目指して登ってくることがわかった。はじめからゴールをみてしまい、その後人の流れを逆流しながら養老天命反転地を目指すことになった。
みやげ物屋さんをのぞき、500円のひょうたんを買おうか、300円のひょうたんを買おうか、ひょうたんを買うのはやめておこうか迷いながら歩き、結局買わなかった。


かねてから行ってみたいと思っていた養老天命反転地も、雨に降られることなく見学できてよかった。予想していたよりも早く養老見物が終わってしまったので、帰る途中、「関が原鍾乳洞」の看板に惹かれてハンドルを切った。実際には、看板をみた瞬間に右に傾きかけていた車体を左へと豪快に方向転換するようなドラマティックな切り方はしていない。鍾乳洞を見物しているときに、蛍光灯で照らされた化石をみてZ子さんが(これは好きなひとが見たらたまらないんでしょうね〜)と気のない感心の仕方をしていたのが印象に残っている。
鍾乳洞のあと、関が原合戦跡にも寄り道していたら、ちゃんとした昼食をとらないままオヤツの時間になってしまい、ここまできたら飛騨牛が食べたいよね〜と言いながら「養老ミート」という看板を頼りにお店にたどり着いたら肉の小売店だった。