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最近胃が痛いなと思っていたら、テレビ・コマーシャルで「太田漢方胃腸薬Ⅱ」が紹介されていて、「『飲みすぎ』『食べすぎ』のための胃腸薬ではありません」というキャッチコピーに惹かれたので、イオンの一階にある薬局でさっそく購入してみた。いままで、この痛みは飲みすぎや食べすぎのせいじゃないから普通の胃薬を飲んでも仕方がないんだ、とか、医者に行っても夏場だからって冷たい飲み物を飲みすぎるなとか言われるばかりで、もうこの苦痛からは逃れられないのかとあきらめていた胃痛持ちの人々が、このコマーシャルを見た瞬間、うれしさのあまり立ち上がって「おお」とか「ああ」とか声を上げたせいで日本列島の気圧が変化しただろうと予想できるくらい、待ち望んだ胃薬だと言っても過言ではない。
パッケージ裏面に書かれた、「こんな方に太田漢方胃腸薬Ⅱ」「●人間関係にお悩み ●仕事で神経を多く使う ●生活が不規則 ●神経質な方」という箇条書きの文章からは、「いままでつらかっただろう、でももう心配しなくていいんだよ」というやさしさがうかがえる。胃に対して働きかけるというよりは、ストレスの原因になった心配事を忘れさせてくれるようなハッピーな幻覚がみられる薬なのではという期待も高まる。用量を守って三粒の錠剤を飲み込むと、目の前の景色が輝きだし、虹が自分の胸に突き刺さってくるように思われたり、1000本の美女の手が自分に向かってのびてくる!、居間のコタツの上に銀色のペガサスが!大嫌いな人と自分との間に突然巨大迷路が出現し、いつまでも相手と出会わずにすむ!等の効き目、その秘密はサルノコシカケ科に属し、主として松の根に発生する菌体であるブクリョウにある。ブクリョウには他に、「動悸、筋肉がピクピクと攣縮するものを治す。また、小便が出にくいもの、めまい、煩悶し(苦しく)てもだえるものを治す」という効用がある。
これさえあれば、年が明ける前に気分を一新することができそう。ハロー、新しい自分…!