夜、食堂に入ったらテーブルの上にプリッツの箱が置いてあった。おそらくパートのおばさんが食べかけをそのままにしていったものだろうと思ったけれど、一本のプリッツを途中まで食べかけているわけではなく、袋が開けられたまま何本か残っていたので、勝手に食べたらしょっぱくておいしかった。ポッキーやトッポと比べると、プリッツには貧乏くさいところがあるように感じていたのは、気のせいだった。しかしながら、プリッツを食べて素直においしいと思えて、フォアグラと鹿の肉をキャベツで包んだものの味をわからないと思うことは問題だ。もっとおいしいものに詳しくなりたいし、ほんとうにいいものを食べておいしいと思えるようになりたい。そのためには、グルメぴあを購入するなどして、(来年からはグルメになる)と、ちょうど12月なので年明けからという区切りを理由に問題を先送りするのではなく、いまこの瞬間から一口でも多くおいしいものを口にしたいと貪欲な姿勢で行動することが求められている。まず手始めに、明日の帰り際にはいつも通りH川さんから食事に誘われるに決まっているので、藤一番には行きたくありません!と強い姿勢で臨まなければならない。