レストランでは手打ちパスタのほかに、前菜と主菜とがあって、前菜は生ハムと、蛸にすこしだけマスタードがのったものと水菜をあえたもの、主菜はフォアグラと鹿の肉をキャベツで包んでラズベリーのソースをかけたものを食べた。生ハムはしょっぱくておいしいと思ったけれど、フォアグラと鹿の肉の味がおいしいのかどうか、よくわからなかった。普段おいしいものを食べなれていないので、お肉に甘いソースがかかっていることに混乱してしまいなにがフォアグラなのか、鹿の肉はどんな味なのか、わからない状態だったと思う。蛸といっしょに出てきた野菜も、はたしてほんとうに水菜だったのかどうかもあやしい。(フォアグラと鹿の肉をキャベツで包んでラズベリーのソースをかけたもの)がメニューにはどう表記されていたのか、キャベツで包んであるから「キャベ巻き君」、といったようなわざとらしい愛称はついていなくて、わりと(フォアグラと〜)と料理の内容がそのままわかるように書いてあった気がするけれどぜんぜん思い出せない。
前菜、主菜ときて、じゃあパスタは何なのか、それもわからない。電子辞書に収録された広辞苑によると、前菜とは「食前または酒の肴に食べるつまみもの。オードブル」とあり、主菜とは「主食以外で、食事の最も中心的な位置を占める料理。魚・肉・卵などを主材料とする。メーン・ディッシュ。←→副菜」とある。その副菜はというと「食事で主食や主菜を補い、生かすような料理。野菜・豆類・芋などを主材料とする」とのこと。どうやらパスタは「主食」にあたるらしいことが明らかになった。それにしても「つまみもの」という言葉には「お豆さん」みたいな雰囲気があるなあ……雰囲気だけで、くわしく説明しようとしても無理だけれど…