一日中地図の色塗り。色分けのもとになるリストが『超常現象大事典』と同じくらいの厚みなので、いつまでたっても終わらない。もう嫌だ……こうして地図に色を塗っている間にも、冬休みの宿題をさっさと終わらせてしまってフランス語の教材レコードをすごい速さでスクラッチする練習に励んでいる小学生がいるかもしれない。スクラッチの練習が終わると今度はコクヨのノートを取り出して、思いついたライムとか、給食のあたらしい食べ方とか、四コママンガとか、迷路とかを1,000円くらいするシャープペンで、お菓子を食べながら書き込む。表紙に秘密ノートと油性サインペンで書かれたそのノートは、パソコンを恐る恐る衝撃に強い鞄につめこむビジネスマンをあざ笑うかのように、乱暴にランドセルに突っ込まれる。お前なんかに負けてはいられない。