歯科医院に通い始めたのはいつからだったか思い出せなかったので手元にある医療費領収書をみてみると、7月18日付のものが一番古かった。7月18日付のものを含めて領収書は全部で6枚ある。一ヶ月とすこしの間に6回歯科医院に通うというのは頻度として多いのか少ないのかどちらかよくわからない。今日は先週削られた歯に銀歯を埋めてもらうために歯科医院に行った。先週は虫歯を削られるのが痛かったし、今週は銀歯を埋めるだけなのにやはり痛かった。痛いおもいをするのがとても嫌なので歯科医院へ行くときは気持ちが沈んでしまう。
虫歯をみればなんでもかんでも削ってしまうのではなく、削らずに治療をすすめてくれる先生が埼玉県にいるという噂を耳にしたことがある。埼玉まで歯の治療に行くのは難しいので、埼玉のすばらしい先生が愛知県に移住してくれたらと思う。ただ移住してくれというのは虫が良すぎる話なので、先生が移住したくなるような環境を整える必要がある。衣食住、この三つが基本となるとすれば、まずは衣、先生が思わず袖を通したくなるような、グッチやプラダルイ・ヴィトン製の洋服がずらりとかかったウォークイン・クローゼットを用意、そのクローゼットのある家といえば、やはり誰もが一度は住んでみたいと願ったことがあるはずの忍者屋敷スタイルを採用。ただの押入れと思いきや、襖を開けるとさらにもう一枚襖があり秘密の通路につながっていたり、敵の侵入を防ぐため階段に落とし穴が仕掛けられていたりと住む者を飽きさせない工夫が満載。
治療を行う際に先生がまとうグッチの、あるいはプラダの、あるいはルイ・ヴィトンの毛皮のコートは患者の頬をやさしく撫で、そして削らずに虫歯を治すための特殊な白い詰め物を狙って先生宅に侵入しようとする悪い歯科医たちを撃退するために忍者屋敷スタイルの家が力を発揮する。埼玉から移住していただくための環境は、実際に移住後に治療活動を行うにあたっても役に立つ。理にかなったこの計画に税金が投入されたとしても、文句を言う市民はいないだろう。